こんばんは。つばめです。
今回は私の視点から五大商社である三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅の中で、どこに高配当投資するのが効率がいいのかを紹介します。
資産形成インフルエンサーの中には「配当金ゲットとリスク分散の観点から五大商社すべてに投資せよ!」と奨励する方もいらっしゃいますが私は違います。
結論から言えば私が重視するキャッシュフローの観点で三菱商事のみです。
もうひとつ購入するとすれば株価の上がり方の観点で伊藤忠商事です。
予算的に五大商社すべてに投資できない。という方は、配当目的で三菱商事だけでも十分だと思いますよ。
五大商社の概要
ではまず五大商社の概要です。
高配当株として興味ある方が多いでしょうから、そこに特化したまとめ一覧です。
企業名 | 三菱商事 | 三井物産 | 住友商事 | 伊藤忠商事 | 丸紅 |
---|---|---|---|---|---|
証券コード | 8058 | 8031 | 8053 | 8001 | 8002 |
得意分野 | ・原料炭などの資源 ・機械 ・食料品 ・化学品 | ・鉄鉱石、原油の生産権益 ・インフラ | ・油井管 ・メディア ・非鉄資源 | ・繊維 ・食料 | ・穀物 ・発電プラント ・輸送機 ・農業化学品 |
1株当たりの配当金 | 134円 | 95円 | 70円 | 94円 | 51円 |
直近配当利回り | 3.68% | 3.75% | 4.18% | 2.8% | 4.95% |
中間配当権利落ち日 | 9月30日 | 9月30日 | 9月30日 | 9月30日 | 9月30日 |
期末配当権利落ち日 | 3月31日 | 3月31日 | 3月31日 | 3月31日 | 3月31日 |
配当金支払日 | 12月、6月 | 12月、6月 | 12月、6月 | 12月、6月 | 12月、6月 |
売上・当期利益右肩あがりか | NO | NO | NO | NO | NO |
営業CF※1が当期利益を超過 | YES | NO | NO | NO | YES |
投資CFが営業CF内で行われているか | YES | NO | YES | YES | YES |
株価右肩あがり | YES | YES | NO | YES | NO |
配当性向 | 30~100%超過 | 30~100%超過 | 30~80% | 30%前後 | 25~80% |
Yahoo Finance!で株価をチェックする | 株価をチェック | 株価をチェック | 株価をチェック | 株価をチェック | 株価をチェック |
※1 CFはキャッシュフロー略称
五大商社の中で三菱商事が高配当投資先として優れている4つのポイント
では、ここからは私の観点で「なぜ五大商社の中で一番、三菱商事に投資する価値があるか。」を5つの観点からみていきます。
- 売上・当期利益が右肩上がり
- 営業キャッシュフローが右肩あがり、かつ当期利益を超過
- 投資が営業キャッシュフロー内で行われている
- 一定幅、または右肩あがりの株価推移
- 配当性向
【ポイント1】他社よりずば抜けている売上と当期利益の規模
安心して長期ホールドするために、売上と当期利益が右肩上がりになっているかどうかを確認しましょう。
そこが基本的に右肩あがりであれば比較的安心して株をもっていられますね。
ですが各社売上は右肩さがりで苦戦中。
当期利益については三菱商事、三井物産、伊藤忠が健闘中といったところ。
各社の売上と当期利益の5年推移がこちらです。
金額だけみると三菱商事と伊藤忠商事のビジネス規模が大きいのがわかりますね。
【ポイント2】キャッシュフローが右肩あがりで、当期利益を超過
企業の手元の現金が増えていっているかも大事なポイントです。
企業が商品を買ったり売ったりするとき、手元にある現金が増えたり減ったりします。この手元の現金の流れを「営業キャッシュフロー」と言います。
これを見ると、三菱商事と丸紅が他の商社より優れています。
「該当企業の経営力が強いか、また企業が不正、不正予備軍になっていないか」を見るには、企業のお金の流れを見ることが重要です。
特に注目すべきなのが、営業キャッシュフローです。
「営業キャッシュフローが当期利益を上回っているか」という視点で見ると、三菱商事と丸紅の2社が条件を満たしました。
経営において一番大事なものは、営業キャッシュフローだと私は考えています。
売上を計上する前の仕入れ、売上がたっても大体お金をお客様から全額もらえるとは限りません。
仕入れ先にお金を払う、従業員に給料を払う、早めにお客様から代金を受領する、それぞれの「当たり前」をこなし、手元の現金の増減を示しているのが営業キャッシュフローです。
おろそかにすると最悪、こんなことが起こります。
今年もみんなが頑張ってくれたおかげで売上も利益も最高値!ありがとう!
ただ残念ながら現金ないし、銀行から融資断られたので会社は倒産します!
う、うそでしょ
また売上や利益と異なり、キャッシュフローは経営陣の成績表に組み込まれることが少ないので企業運営の実態をよく表していることが多いです。
企業の不正を見抜くのは簡単ではないですが、よくある粉飾決算が「売上増」や「買収(M&A)」にからんだもの。
ですがそこの不正をするとキャッシュフローにひずみが生じます。
たとえば、売上をかさ増ししている場合
今月、営業ノルマが厳しいので、千個買ってもらえませんか?800個分は1月31日以降、返品処理でOKです。
しょうがないな。いつもお世話になっているし、今回千個発注しておくよ
1月31日過ぎたから、余分の800個返品して、代金200個分払うね
あれ?売上規模に比べて、営業キャッシュフロー少ないな
営業の仕事は売った後の料金回収まで。とはよく言ったもので会計の面からもみられるのですね。
このあたりの話が面白い!と感じた方は経済誌Presidentがオリンパスをはじめとする実際の粉飾決算をキャッシュフローの観点で解説した記事がおもしろいです。
【ポイント3】利益を無理なく投資
倒産の可能性が出るような、過剰な投資をしていないのかもよく見ることが大切です。
営業キャッシュフローから投資キャッシュフローをひくことで身の丈に合った投資をしているかみています。
基本的に営業キャッシュフローの上限バー内で投資ができていれば攻めすぎていない投資ができていると解釈します。
この項目については三菱商事、住友商事が私にとって望ましいお金の使い方をしていると解釈できます。
【ポイント4】安定している株価推移 ウォーレンバフェット氏の資産額は?
株価が右肩あがり、もしくは一定の値幅で推移していると、安心して株を持ち続けることができます。
いくら高配当投資であっても、株価が下がり資産が目減りすると私の場合ストレスが溜まります。
たとえ配当で株価値下がり分取り戻せると理論上計算できたとしてもです。
日本株はなかなか右肩あがりの株がないので、せめて株価が一定幅の間で動いていることを望みます。
そうすれば底近辺で指値アラートを設定し買えばいいと考えています。
2021年11月17日現在の五大商社の2年と全期間チャートがこちらです(Yahoo Financeより引用)。
投資したい!と思わせるのは伊藤忠ですね。米国株のような右肩チャートです。
実際、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャーハサウェイは、五大商社の中でも伊藤忠に対する投資比率が一番高いです。
財務はもちろんですが、長期株価を重視しているのがよくわかります。
参考BERKSHIRE HATHAWAY 2020 Annual report
にしてもですよ。
2020年12月31日時点でウォーレン・バフェット氏が伊藤忠の株を81,304,200株持っているということは年間配当金はおそらく
89億円・・・!もう一般庶民とその子孫は生まれながらのFIRE民
2020年8月30日に「五大商社の株を5%購入した。」とプレスリリースを出したので仮に購入価格を全営業日の終値2,614円で一括購入したとすると
2021年11月18日現在終値3,316円含み益もすごい。
【ポイント5】配当性向
企業が「もうけ」をどれだけ配当金に回しているのか、いわゆる「配当性向」もチェック項目の一つです。
多ければ多いほどいいと思われがちですが、そんなことはありません。
本来、企業価値を高めた結果で株価が上昇し、企業は株主に値上げ幅(利益)をプレゼントする。
これが、最も良い配当性向のあり方です。
一方、ある程度事業に投資することも必要です。
しかし人気取りや暗黙の了解で事業成長余地がないので配当金に回す。ということもあります。
あまり配当性向が高すぎるといずれ配当金が支払えなくなり、「金の切れ目は縁の切れ目」で株価暴落。ということが起こります。
そのリスクを見ると三菱商事と三井物産は配当金を毎年あげる政策を打っているので、ちょっと無理している感じがありますね。
その政策が終わったら株価暴落しそうです。
【結論】五大商社の中で高配当投資をするなら三菱商事
私が重視する5つの観点から、五大商社の中で一番三菱商事が高配当株に向いていることがわかりました。
企業名 | 三菱商事 | 三井物産 | 住友商事 | 伊藤忠商事 | 丸紅 |
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売上・当期利益右肩あがりか | NO | NO | NO | NO | NO |
営業CF※1が当期利益を超過 | YES | NO | NO | NO | YES |
投資CFが営業CF内で行われているか | YES | NO | YES | YES | YES |
株価右肩あがり | YES | YES | NO | YES | NO |
配当性向 | 30~100%超過 | 30~100%超過 | 30~80% | 30%前後 | 25~80% |
Yahoo Finance!で株価をチェックする | 株価をチェック | 株価をチェック | 株価をチェック | 株価をチェック | 株価をチェック |
※1 CFはキャッシュフロー略称
2021年11月18日現在、岸田首相が再度金融資産税について重要課題として検討すると明言したことにより日本市場が下がりました。
三菱商事、三井物産、伊藤忠が11月5日発表の決算で市場の期待を上回ることができず、株価が下がっています。
100株一括で購入する勇気が私にはないので、LINE証券で少数買ってみました
関連私がSBI証券も楽天証券もあるのにLINE証券を開いた理由と比較