こんばんは。つばめです。
今回は、元総務の数字オンチ、現財務部門所属の私が、配当金生活が無理だと思われる理由をデータを元に分析してみました。
本当に配当金で生活するのはむりなのでしょうか?
結論から言うと、簡単ではないですが、達成は可能です。
実際に私は、原資3千万円で配当金月額5万円を目指している途中です。
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配当金生活は無理なのか?必要な資金を分析
配当金生活とは、自分ではなく投資先その企業が利益を出し、その金銭や物品支給で生活できる状態です。
積極的に株主に還元する企業だったら、会社で嫌な上司、取引先、同僚と会わずともうまくいけば毎日有休状態で毎月配当金が入り、それで生活ができるということです。
会社の人間関係で悩んでいる人からすれば夢のような生活ですよね。
その夢のような配当金生活ですが、そのような生活を送るのにいくら資金が必要なのでしょう?
よくシュミレーションで挙げられているのは資金としては利回り4%
月額配当金 | 配当金年額配当金 | 利回り | 必要原資 |
---|---|---|---|
30万円 | 360万円 | 4% | 9,000万円 |
20万円 | 240万円 | 4% | 6,000万円 |
10万円 | 120万円 | 4% | 3,000万円 |
人によって生活レベルはもちろん異なりますが、3千万円稼ぐこと、またそれを生活費である程度使った後で全部投資に回すというだけでも結構大変な金額。
たとえ月給100万円のような高給取りでも自炊、家賃が安めのところに住み、生活費を10-20万円に抑えて残りは全部投資に回しても、配当金月額10万円を得るのに3.5年ほどはかかります。
3千万円の大金で高配当株式を購入しても月額10万円にしかならないの?生活保護費未満?大したことがないように感じますよね。
これがネットで「はい、詰みました。\(^o^)/オワタ」と言われるゆえんかと思います。
配当金4%運用 税引き前と税引き後
また配当金を受領したら、満額そのままあなたの手取りになるわけではありません。この配当金に対して税金が課せられます。
米国株なら米国と日本で約30%課税され、実質の手取り70%。
日本株なら20.315%課税され、実質の手取りが80%になるので株価チャートを見たときに
よし!4%だ!投資しよう!
と思っても手取りが3%前後になるというのもよくある話です。
そもそも利回り4%を超えている株というのは株式市場広けど稀で大体1年限定とか業績悪化による資金調達で企業による撒きえさだったりします。
例えば、米株で連続増配株として人気のPG。薬局にもシャンプーなどが置いてある米国企業。
2021年6月17日現在、株価がUSD132.78/株に対し、配当金はUSD3.0284。利回りを計算すると利回り4%切っています。
=配当金 | /株価 | x100% |
---|---|---|
=USD3.0284 | /USD132.78 | x100% |
=2.28%(配当利回り) |
そこでダメ押し二重課税
税引き後配当金 | =配当金x【(100ー(米国課税+日本課税)】 |
---|---|
=USD3.0284 x 【100-(10% x 20.315%)】 | |
=USD3.0284 x 【69.685%】 | |
税引き後配当金 | =USD2.1103 |
税引後利回り | =税引き後配当金 / 株価 x 100% |
---|---|
=USD2.1103 / USD132.78 x 100% | |
税引後利回り | =1.58% |
配当利回りが2.28%から、1.58%まで二重課税の力で落ちました。
日本株だと利回りはもっと低いですが日本での課税しかかからないので少し上向きます。
そもそも米国企業と異なり連続増配している企業も少なく、していても数年の期間限定としている企業が多いです。
連続増配当株で有名な沖縄セルラー電話をみてみましょう。
2021年6月17日現在、株価が5,050円/株に対し、配当金は162円。利回りを計算すると
税引前利回り | =配当金 / 株価 x 100% |
---|---|
=162円 / 5,050円 x 100% | |
=3.20% | |
税引後配当金 | =配当金 x【100-(日本課税)】 |
=162円 x【100-(20.315%)】 | |
=162円 x 79.685% | |
=129円 | |
税引後利回り | =税引き後配当金 / 株価 x 100% |
=129円 / 5,050円 x 100% | |
=2.55% |
まとめると、高収入でも質素な最低限な暮らしをし、全て投資に回して3千万円捻出できても月額10万円の配当金を得るのはかなり厳しいことから配当金生活無理。と言われています。
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配当金生活は無理じゃない!リスクの高い投資をする!?
配当金生活を短期で達成するのが無理なのであれば、ビットコイン、レバナス、FXに全力投資だ!と思う方もいるでしょう。
ですが、ビットコインは、株と税制が異なります。
配当金なら手取り7-80%になるところ、ビットコインの場合は、50%とられます。
単純計算100万円ビットコインで稼げても、50万円は国に納める必要があります。
ビットコインに100万円投資し、チャートでは200万円になったとしても「もう少し値上げして自分の取り分増えてから売ろう。」と利益確定を遅らせたとします。
2か月後には、100万円投資していたのが50万円。下手したら30万円に落ち込むことだってあります。
他には、ビットコイン取引所が閉鎖して、自分の資金を引き出せないなんてことも・・・。
ビットコインはFXと異なり損失分は即入金する必要がなく、株と同じようにこれ以上の損を避けるために手持ちのビットコインを売却することで損失確定になります。
ですが、よほど自分を理性でコントロールできる人でないと厳しいのは変わりません。
そもそも、長期間かかる配当金生活の種まきを短期間で効率的に達成しようと夢見る人が、理性で自分をコントロールできるでしょうか?
不可能ではないですが、非現実的だと思います。
実際に知り合いでFXに全財産投資してリーマンショック前は優雅な生活をしていたのにリーマンショック後、財産がほとんどなくなった(株とは異なり、損したらその分を直ちに証券会社に入金しなくてはならない)
現在、生活保護を受けているという人もいます。
正しい距離間を覚えないと配当金生活どころではなく、日々の生活ですら厳しくなります。
配当金生活は無理だからやめる?
散々、配当金生活が無理な条件を並べてきましたが、10~20年の長期投資はいいよという話。
前述のPG。今買えば利回りは3%を切っていて旨味はないかもしれませんが、例えば5年前に前述の米株PGをUSD85で購入、放置し、2021年6月17日現在の株価で算出すると
税引前利回り | =配当金 / 株価 x 100% |
---|---|
=USD3.0284 / USD85.00 x100% | |
=3.56% |
税引後配当金 | =配当金 x【100-(米国課税 + 日本課税)】 |
---|---|
=USD3.0284 x 【100-(10% x 20.315%)】 | |
=USD2.1103 |
税引後利回り | =税引き後配当金 / 株価 x 100% |
---|---|
=USD2.1103 / USD85 x 100% | |
=2.48% |
先ほどの税引後利回り1.58%から、2.48%と1%近くアップしています。
また株価自体もUSD85からUSD132.78と一株あたりUSD47.78値上がりしているので配当金のみならず、その値上げ幅(キャピタルゲイン)の投資リターンも入れたら5%超えます。
【分析結果】長期目線で考えれば配当金生活は無理ではない。
それに昨今はよほどの体力がある企業でもない限り、月額数百円の給与アップも厳しい時代ですが、なぜか配当金増額はできる企業が多いです。
それであれば、財政が安定していて不正リスクが少ない企業に資金を任せ、月額5万円をもらい昇給分補う。ことが家計を助けてくれ精神的にゆとりを持てますし人生の選択の幅を広げてくれます。
月額配当金5万円であれば1,500万円の原資で理論上は可能です。
10年ほどあれば貯めて投資するには不可能ではない現実的ラインだと考えますので月額5万円の配当金を掲げています。
もちろん、株式には元本割れリスクもあり、また減配、無配のリスクも存在していることも重々承知しています。
それにいつ何時、会社でパワハラ・セクハラ・リストラ対象にあっても、会社に縋り付き、耐え忍ぶのではなく「やってられるか!」と退職願いを叩きつける精神的余裕も少しは出てくるでしょう。
お金が人生のすべてではないけれど、お金が最低限ないと人間が卑しくなるし、人生で取れる選択肢が少なくなります。そんな人生はいやです。
投資は自己責任!をスローガンに程よい距離で付き合っていきます。
そのうえで配当金月額5万円の状態を私は目指します。